
篠崎 祐介 (シノザキ ユウスケ)
人文社会科学系 日本語・日本文学研究講座 国語科教育学分野 | 准教授 |
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基本情報
経歴
所属学協会
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(B), 小学校国語科におけるデジタル端末で「深く読む」ための調査・実践研究, 基盤研究(B), 2021年04月 - 2024年03月 - 日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C), 論理を教える国語の先生をどう育てるか:国語科教育学研究者によるセルフスタディ, 基盤研究(C), 2021年04月 - 2024年03月 - 日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C), 国語科読解指導における複数教材の選択モデルの構築, 基盤研究(C), 2021年04月 - 2024年03月 - 日本学術振興会
科学研究費助成事業 若手研究, ICT活用に向けた国語科読解指導における教材選択システム開発のための基礎的研究, 若手研究, 2018年04月 - 2021年03月 - 日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C), 論理教育におけるレトリックの評価に関する研究, 基盤研究(C), 2018年04月 - 2021年03月, 本研究は、論理的思考力と記述との関係を探るために設定されたものだが、研究をすすめるに連れ、教師が、学習者の文章からどのような論理的思考を読み取るか、また、どのような思考の有り様や記述の有り様が「よい」と考えるか、つまり教師の内面化された「論理」についての規準が、授業に大きな影響を与えていることがわかった。そのため、この研究に関わっている研究者が、それぞれ内面化された「論理」に関する個人個人の規準を出し合うことを行った。それらを共同で検討している中で、いくつかの指標があり、その指標の大部分は共通化されている一方で、各個人の重み付けが異なることも見えてきた。その指標とは以下のものである(まだ仮説段階である)。 ・具体的な読者像の設定・・・「読者像」の類推(あるいは、「読者の立場」の類推)/「読者像」への共感 ・具体的な筆者像の設定・・・「筆者像」の類推(あるいは、「筆者の立場」の類推)/「筆者像」への共感 ・筆者が設定している「読者像」の設定・・・筆者が設定している「読者像」の類推(あるいは、筆者が設定している「読者の立場」の類推)/筆者が設定している「読者像」への共感 ・具体的な学習者像の表象・・・「学習者像」の類推(類推できる「学習者像」が表象していること)/「学習者像」への共感(共感できる「学習者像」が表象していること) ・回答の文章自体の適切さ、妥当性(あるいは、「評価者(教師)像の設定) - 日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C), 高等学校国語科における論理論証教育の実践モデル,学習評価モデルの開発, 基盤研究(C), 2017年04月 - 2020年03月, 本研究では,高等学校の論理論証教育の実践モデル,学習評価のモデルを開発することである。とりわけ,説明的文章を読むことの学習を中心として,理解と表現の関連指導のあり方に関する研究を行った。研究協力者と協働して,論証を扱う先駆的な取り組みの内実を明らかにしつつ,授業を構想し,授業を実践した。そして,授業の観察と分析を通して,授業モデルとして類型化し,有効性を確かめることができた。 - 日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C), 国語科における小中高を通した論理教育カリキュラムと実践プランの策定, 基盤研究(C), 2014年04月 - 2017年03月, 本研究では、小中高を通した論理教育カリキュラムと実践プランの策定のために、2回にわたり小中高の学習者に大規模な調査を行った。その結果、説明文を読むためには、世界認識、筆者認識、自己(=読者)認識、一般的読者認識、言語認識、感情(情動)などが明瞭に区分され、必要なときに呼び出されるように、有機的に関連付けされてネットワーク化されていなければならないこと、しかし、学習者の現状はそうなっておらず、また、筆者認識と自己認識とを交差させることが弱いことがわかった。そのため、各認識を交差させるカリキュラムと実践プランを策定することが必須であることがわかった。
研究活動情報
書籍等出版物
- 高等学校論理国語
2023年02月, 大塚
常樹
難波
博孝, 第一学習社, 9784804021522 - 高等学校標準論理国語
2023年02月, 大塚
常樹
難波
博孝, 第一学習社, 9784804021539 - 高等学校新編現代の国語
2022年02月, 大塚
常樹
難波
博孝, 第一学習社, 9784804020792 - 高等学校精選現代の国語
2022年02月, 大塚
常樹
難波
博孝, 第一学習社, 9784804021508 - 現代の国語 : 高等学校
2022年02月, 大塚
常樹
難波
博孝, 第一学習社, 9784804020778 - 高等学校標準現代の国語
2022年02月, 大塚
常樹
難波
博孝, 第一学習社, 9784804020785 - 論理力ワークノート ネクスト
2020年12月20日, 第一学習社編、難波博孝・長谷川洋二・林大悟・篠崎祐介・幸坂健太郎・本渡葵・相澤理・小池陽慈, 第一学習社 - 新たな時代の学びを創る 中学校・高等学校国語科教育研究
2019年09月26日, 全国大学国語教育学会編, 評論文・論説文の指導, 東洋館出版社, 中学校・高等学校の国語科の教職者・教職志望者向けの教育研究用テキストである。担当個所では、思考力・判断力・表現力等を育てる授業を行うことができるようにするために、評論文・論説文の特性と教材分析の観点を明らかにした上で、評論文・論説文を教材とする読解指導の在り方を論じた。 - 論理力ワークノート
2017年04月30日, 難波博孝・幸坂健太郎・篠崎祐介・本渡葵, 第一学習社 - 新しい国語 基礎編 「学びを支える言葉の力」ワークシート集
2013年10月, 難波博孝・相川直之・岡田真範・岡田真由・幸坂健太郎・篠崎祐介・本渡葵・吉浪徳香, 東京書籍 - 1日10分 言語力ドリル「読む」
2013年02月01日, 難波博孝・幸坂健太郎・妹尾知昭・篠崎祐介・本渡葵, 第一学習社
論文
- 説明文・論説文の重要教材全解説「見立てる/言葉の意味が分かること」
2024年11月01日, 単著, 教育科学国語教育, 明治図書出版, 899, (MISC)総説・解説(商業誌) - 説明文・論説文の重要教材全解説「文様/こまを楽しむ」
2024年11月01日, 単著, 教育科学国語教育, 明治図書出版, 899, (MISC)総説・解説(商業誌) - 説明的文章読解指導における複数教材推薦システムの基礎モデルの検討
2024年11月11日, 篠崎 祐介・三上 剛・幸坂 健太郎・佐藤 正直, 共著, 読書科学, 日本読書学会, 66, 1, 研究論文(学術雑誌) - AHPを活用した教材選択過程の数量化の可能性と課題―説明的文章読解指導のための副教材選択において
2025年01月24日, 単著, 読書科学, 日本読書学会, 66, 2, 研究論文(学術雑誌) - 批判的読解のプロセスと感情と個人の認識論の関連―ビジュアル・ナラティヴを基に
2024年04月20日, 山本純慈、篠崎祐介, 共著, 読書科学, 日本読書学会, 65, 2, 研究論文(学術雑誌) - 論理の役割に着目した評論文読解の対話的学習―「水の東西」における対比に焦点を当てて
2023年02月22日, 単著, 言語文化学会論集, 言語文化学会, 59, 研究論文(学術雑誌) - 動画配信を活用した国語科学習指導案の作成指導の省察―教育観との関連から
2023年12月01日, 単著, 国語教育思想研究, 国語教育思想研究会, 32, 研究論文(大学,研究機関紀要) - 小学校6年 ぼくの世界、君の世界:解釈のクセに自覚的になる
2023年08月01日, 単著, 教育科学国語教育, 明治図書出版, 884, (MISC)総説・解説(商業誌) - 大学初年次生への読書指導法の探究―会話の分析を中心に
2022年07月01日, 篠崎祐介
鈴木美穂
冨士池優美
北原博雄
中田幸司, 共著, リメディアル教育研究, 日本リメディアル教育学会, 16, 研究論文(学術雑誌), 主体的・対話的に批評を行わせる学修活動を取り入れた授業実践を実施し、文学作品の批評文の変化を分析するとともに、批評文の変化が大きかったグループの学修活動の分析を会話を中心に行った。その結果、取り出した情報と解釈を結びつける理由づけが記述される等の批評文の変化が見られた。また、分析対象となったグループでは、散発的で単調な会話から相手の発言に関連づいた会話に展開していた。作品がただ面白いという感想から、作品の内容や表現に着目しつつ、他者にも捉えられる理由を求めようとする意識が共有されるようになっていった。一方で、批評においてどのような理由を持ち出すとよいのかという点をメタ的・批判的に意識化させることができなかったという実践上の課題が見出された。 - 説明的文章の価値的読解に関する教員の評価
2022年03月31日, 篠崎祐介
青木幹昌, 共著, 臨床教科教育学会誌, 臨床教科教育学会, 21, 2, 研究論文(学術雑誌) - 玉川大学文学部国語教育学科の教員養成課程の成果と課題―教育委員会が求める初任者教員の能力の分析をもとに―
2022年03月30日, 篠崎 祐介
鈴木 美穂
冨士池 優美
北原 博雄
中田 幸司
長谷川 洋二
林 大悟
太田 明, 共著, 玉川大学文学部紀要, 62, 研究論文(大学,研究機関紀要), 0286-8903, 玉川大学文学部国語教育学科において,国語科教員としての高い資質能力を有する学生を養成していくにあたり,グローバル時代における国語科教員の資質能力の具体像を明らかにしながら,その効果的な養成方法を検証することとした。本研究では,国語教育学科の教員養成課程として成果と課題を明らかにすることを目的として,南関東圏内の教育委員会が求める初任者教員の能力を分析し,国語教育学科の4年次生が学修したと考えている項目を分析した。その結果,教育委員会は教科指導や学級経営,チームワーク等の能力を新任教員に求めていることが明らかになった。一方,国語教育学科の学生もそれらの観点に関わる能力を学んだと考えていることが示唆された。ただし,各観点に対してどの程度の段階まで学生の学修が促進されたのかは課題として残った。 - 小学校国語科における故事成語を教材とする語彙指導の分析
2021年05月01日, 単著, 国語教育思想研究, 国語教育思想研究会, 22, 研究論文(大学,研究機関紀要), 2187-8625 - 説明的文章読解指導における複数教材の選択観点
2020年10月01日, 篠崎祐介・幸坂健太郎, 共著, 国語教育思想研究, 国語教育思想研究会, 21, 研究論文(大学,研究機関紀要), 2187-8625 - 読解指導における複数教材の選択モデルの検討―高等学校国語科の評論教材の内容的類似性に焦点を当てて―
2020年08月07日, 篠崎 祐介, 単著, 読書科学, 日本読書学会, 62, 1, 研究論文(学術雑誌), 10.19011/sor.62.1_43, 0387-284X - 『学び合い』授業における教室談話に関する事例研究―説明的文章の協同的読解場面に焦点を当てて―
2019年10月25日, 篠崎祐介
青木幹昌, 臨床教科教育学会誌, 臨床教科教育学会, 19, 1, 研究論文(学術雑誌), 本研究では,説明的文章読解を学習内容とする『学び合い』授業における教師の問いを含む談話を分析した。その結果,学習者の行為を起点とする談話の他に,教師の問いを終点とする談話が見出された。授業の展開や発話の対象の違いに応じ,教師は問いの種類を使い分けており,授業の展開後半部では問いへの応答に反応するのに対し,展開前半部では熟考を要する問いを投げかけたまま学習者の反応を待たない姿が確認された。 - これからの国語科教員養成課程のあり方に関する基礎的研究―IB教員へのインタビューによる国語科教員に求められる資質・能力の検討
2019年10月01日, 篠崎祐介
鈴木美穂
冨士池優美
北原博雄
中田幸司, 玉川大学教師教育リサーチセンター年報, 玉川大学教師教育リサーチセンター, 9, 研究論文(大学,研究機関紀要), 21世紀のグローバル化した社会に求められる国語科教員の資質・能力を明らかにするために,中等教育段階で先導的な実践を行っている国際バカロレアの教員に対してインタビュー調査を実施した。その結果,国語科教員に求められる資質・能力の一端として,【理想の教師像】,【指導法の探究】,【多様性を意識した授業設計の視点】,【一人ひとりに応じた学習の場の設定】,【文学作品の指導法】,【教員間の連携・協力】の6つのカテゴリが導出された。 - 「見守る保育」における乳幼児の絵本との関わりに関する事例的研究―0、1歳児の保育場面に焦点を当てて
2019年07月20日, 篠崎祐介
石川茜恵
渡邉孝継, 言語文化学会論集, 言語文化学会, 52, 研究論文(学術雑誌), 1340-4865, 本研究の目的は「見守る保育」における乳幼児の絵本との関わりの変容を明らかにすることである。調査の対象は認定こども園0、1歳児21名と保育士10名である。6月の3日間(1期)と10月・11月の3日間(2期)の期間における「見守る保育」の様子を撮影し、乳幼児の絵本との関わり方を比較した。1期から2期にかけて、乳幼児は絵本をモノとして認識しなくなり、乳幼児の読書行動は保育士との読書から乳幼児だけでの読書へと変化した。また、乳幼児同士の絵本を通じた関わりが行われた場面を抽出したところ、絵本を媒介として乳幼児同士の関わりにおいて問題が生じた場合に、初めのうちは保育士が事後的なケアを行っていたが、次第に乳幼児だけで対応する姿が見られるようになった。 - 書写における低学年児童の相互評価に関する研究―主体的・対話的な学びによる授業実践を通して―
2018年10月24日, 篠崎祐介
青木幹昌, 臨床教科教育学会誌, 臨床教科教育学会, 18, 1, 研究論文(学術雑誌), 本研究では,国語科書写における低学年児童の主体的・対話的な学びにおいて,「整いの観点」に対する注意がどのように促されるかを,事例的に検討した。児童が作成した下書きとそれに対する朱書き,清書及び児童の発話・会話を分析した結果,児童同士のコミュニケーションを通して,自分自身の書字が身近な他者にうまく伝わっていないことを理解することによって,「整いの観点」に対する注意が促されることが示唆された。 - 熊谷市内の市立小学校1~3年生を対象とした生活実態調査-2006年と2016年の比較-
2018年02月28日, 白井健次
石井富美子
大平滋
矢澤圭介
野澤義隆
篠崎祐介, 立正社会福祉研究, 立正大学社会福祉学会, 19, 33, 研究論文(学術雑誌), 熊谷市小学校1~3年児童の生活実態の変化と問題点を明らかにすることを目的として、2016年に実施した「子どもの生活実態調査」と2006年の「子どもの生活調査」とで比較可能な質問項目について経年比較を行った。その結果、次のようなことが明らかになった。(1)どちらの年も学年が進むと学習塾・習い事へ通う児童が多くなる。(2)この10年間の経済状況の変化が学習塾・習い事へ通う割合を低くしている。(3)どちらの年も困った時の児童の相談相手は母親が多い。 - 学習者による教科書作成の様相とその効果―保育内容「言葉」におけるアクティブ・ラーニングの事例から
2017年07月20日, 篠崎 祐介, 言語文化学会論集, 言語文化学会, 48, 1340-4865, 保育内容「言葉」の授業において学生に教科書作成活動を行わせた。その教科書及び活動中・後に実施したアンケートの分析から次のことが明らかになった。教科書作成は,認知面・情意面に効果的な学習活動であり,学習の抵抗感を減らし,充実感をもたらす。学生は教科書作成及び評価において「詳しさ」と「見やすさ」の他に「親しみやすさ」を重視している。 - 熊谷市子どもの生活実態調査・成育環境づくり(まちづくり)調査
2017年03月31日, 大平滋
石井富美子
篠崎祐介
白井健次
野澤義隆
矢澤圭介, 立正大学社会福祉研究所年報, 立正大学社会福祉研究所, 19, 家庭・学校・地域における子どもの居場所に視点を当てて、熊谷市内の子どもの生活実態及び成育環境づくりについての実態調査を行った。熊谷市内の全ての小学1・2年生の児童及び保護者を対象にアンケートを行い、その回答を分析した結果、1)児童が困ったときに第一に相談する相手は母親である、2)多くの児童が放課後は家庭で過ごし、34%は学童保育所で過ごしている、3)学校の居場所感が家庭と放課後の居場所に比べて低い、4)1年生より2年生が学校の居場所感が高い、等が明らかになった。 - 国語科説明的文章の教材配列における計量的分析の可能性―読解教材のネットワーク構築に向けて
2017年02月28日, 人間の福祉, 立正大学社会福祉学部, 31, 研究の目的は、教材配列を考察するための資料を得る試みとして、計量的な分析手法を用いて、高等学校国語科の評論教材の配列の類似度を考察することである。そこで、評論教材の内容の類似性を捉えるために、2012年検定版国語総合教科書三点に収録されている評論教材を対象にして、名詞の共起関係に着目して対応分析を行った。その結果、対応分析により示される結果は人間の主観と大きく異ならないことが推察され、教材配列の資料として活用が可能であることが示唆された。 - 主体的・協働的な学びを支援する教師の実践理論への意識―『学び合い』実践者へのフォーカスグループインタビューを通して
2016年07月20日, 篠崎祐介
黒川麻実
國友芽衣
岩村考治
幸坂健太郎, 言語文化学会論集, 言語文化学会, 46, 研究論文(学術雑誌), 1340-4865, 主体的・協働的な学びを支援する教師がそうした学びを推奨する意義や、実践上の課題とその解決策に対する意識の様相を明らかにするために、小・中・高等学校教員に対しグループインタビューを行った。その結果、次のことが明らかになった。1)【子供達一人一人に生きる力を育てられる】など、多様な意義を実感している。2)【教師のマインドを学習者に根付かせることの難しさ】など、多様な課題意識を有している。3)日々の経験を反省し,型にこだわらず本質を意識して自律的に実践を行っている。 - 国語教育学におけるコミュニケーション的行為論の援用可能性―鯨岡(2006)を手がかりに
2015年12月20日, 篠崎 祐介, 言語文化学会論集, 言語文化学会, 45, 研究論文(学術雑誌), 1340-4865, 国語科の教育内容を構築する基礎理論として、ハーバーマスのコミュニケーション的行為論を援用する上での課題を克服することを目的として、鯨岡峻の関係発達論構築の展開を手がかりにした考察を行った。その結果、コミュニケーション的行為によって「他者」を受容する契機が生じることが明らかになった。また、主体相互のコミュニケーションを機軸とする認識の枠組みが、これからの国語教育におけるコミュニケーション観を基礎づけるものであることを示した。 - 国語教育研究におけるハーバーマスのコミュニケーション論受容の再検討―森美智代による問題提起への応答として
2015年11月30日, 教育学研究ジャーナル, 中国四国教育学会, 17, 研究論文(学術雑誌), 「話すこと・聞くこと」を中心とする国語教育研究におけるハーバーマス受容に対しての森美智代による批判の妥当性を検討した。その結果、森の結論に反する三つの結果を得た。第一に、ハーバーマスのコミュニケーション論は言語活動の分析枠組としての意義があること、第二に、コミュニケーション的行為には感情が位置づけられていること、第三に、そのコミュニケーション論には「他者性」が考慮されていることを示した。さらに、ハーバーマスのコミュニケーション論が「他者性」を受容する契機を内包している点で意義があることを示した。 - アクティブ・ラーニングによる文章表現指導の研究―大学初年次教育科目における実践を基にして
2015年10月31日, リメディアル教育研究, 日本リメディアル教育学会, 10, 2, 研究論文(学術雑誌), 本研究の目的は、協同的な学習を構成することが、学生の文章表現技能の向上にどのような効果があるかを明らかにすることである。この効果を、協同的な学習を促すアクティブ・ラーニングで構成した大学初年次教育科目における授業実践を基に、明らかにしようとした。この実践の分析結果から、アクティブ・ラーニングによって、習熟度別のクラス編成ではなくとも、学生の文章表現技能が向上することが明らかになった。また、学生の変容の考察から、学生が学習比較を自由に行える環境が、協同的な学習の成立要件として重要であることが示唆された。 - 評論文読解指導の現状と課題―高等学校教員に対するフォーカスグループインタビューから
2015年03月31日, 篠崎祐介
幸坂健太郎
黒川麻実
難波博孝, 国語科教育, 全国大学国語教育学会, 77, 77, 研究論文(学術雑誌), 10.20555/kokugoka.77.0_70, 高等学校の国語科教員へのフォーカスグループインタビューを実施し、そのデータを質的に分析しカテゴリ化することで、高等学校の国語科教員が評論文読解指導の意義や課題をどのように捉えているのかを調査した。その結果、意義として【知への誘い】【学力の形成】など4の重要カテゴリが抽出され、課題として【評論文読解指導の目標の一貫性のなさ】【評論文の特性】【教材研究の在り方】など14の重要カテゴリが抽出された。教員は評論文読解指導の意義を指摘する一方、多様な課題意識を有していることが明らかになった。 - 高等学校国語科における説明的文章読解指導の研究―相互主体的関係を視座として
2015年03月23日, 学位論文(博士), 高等学校国語科の説明的文章指導の課題を明らかにするため、フォーカスグループインタビューによって高等学校国語科教員の説明的文章読解指導に対する意識を調査した。そして、思想的研究としての相互主体的関係の考察を基に、森田信義の説明的文章読解指導論を批判的に検討し、読者の批判の果たす役割を考察した。一方、筆者の果たす役割を考察する手がかりとして、高等学校国語科の説明的文章の主流である「評論文」の特性を明らかにした。また、これらの結果を踏まえた説明的文章読解の指導方法論の在り方を示唆した。 - 論理的な文章を解釈するための教材分析の提案―筆者の思考過程と目的に着目して
2014年12月19日, 広島大学大学院教育学研究科紀要. 第一部, 学習開発関連領域, 63, 研究論文(大学,研究機関紀要), 国語科の論理的文章の読解指導に「解釈」が適切に位置づけられていないという課題を解消するために、パースのアブダクションとハーバーマスのコミュニケーション的行為という二つの概念を援用する教材分析の有効性を検証した。従来の教材分析手法と本論文で提案する新たな教材分析手法とを比較した結果、本論文で提案する教材分析手法では筆者の意図と思考過程を捉えることができることが明らかになった。この結果を踏まえて、高等学校国語科の論理的文章を読解する意義を再検討し、「解釈」を適切に行える教材分析手法を用いた指導方法論を提案した。 - 森田信義の説明的文章指導論の変遷
2014年12月01日, 篠崎 祐介, 国語教育思想研究, 国語教育思想研究会, 9, 研究論文(大学,研究機関紀要), 2187-8625, 批判的読解の研究を発展させていくためには、批判的読解の指導論の前史を踏まえる必要があった。そこで、説明的文章読解指導の代表的理論である森田信義の指導理論を対象にして、森田の理論の中心概念である「評価」の内実の変遷を整理した。その結果、「評価読み」理論における読みの最終的な対象が、第一期・第二期では「筆者」概念であったのに対し、第三期・第四期では「論理」概念へと変容していることが明らかになった。こうした変容の要因として、「評価」の基準が明確にされなかったことと「評価」の方向性が示されなかったことの二点が挙げられた。 - 教材としての「評論文」を定義する―「アブダクション」によって「ディスクルス」を志向する文章
2014年11月30日, 教育学研究ジャーナル, 中国四国教育学会, 15, 研究論文(学術雑誌), 従来の国語教育研究における「評論文」の定義に関する次の三つの問題を指摘した。1)「評論文」は論理的文章と一般的にみなされるが、非論理的文章と指摘されることがある。2)「評論文」とその他のジャンルとの相違が明晰でない。3)「評論文」に逆説的な表現がみられる理由が説明されていない。こうした従来の国語教育研究における「評論文」概念の定義に関わる問題を、「アブダクション」によって「ディスクルス」を志向する文章として「評論文」を仮説的に定義することによって、整理しうることを示した。 - 社会形成に資する読むことの教育に関する考察
2014年05月01日, 篠崎 祐介, 国語教育思想研究, 国語教育思想研究会, 8, 研究論文(大学,研究機関紀要), 2187-8625, 学校教育では既存の社会に適応するだけでなく、新たに社会を形成し発展させていくことのできる主体を育成することが目指されている。そうした社会形成をなしうる主体の育成のために、国語科の「読むこと」の領域がどうあるべきかという問題を、「コミュニケーション的行為の理論」を援用して考究した。その結果、読みの目的として公共性の形成に必要な「討議」の能力を育成することが重要であり、高等学校の評論文教材を用いることがその手だてとなることが示唆された。 - 国語科教育における批判的読解指導の研究―森田信義の評価概念における「解釈」の位置づけに焦点を当てて
2013年11月30日, 教育学研究ジャーナル, 中国四国教育学会, 13, 研究論文(学術雑誌), 批判的読解の指導論における「解釈」の位置づけを明らかにすることを目的として、批判的読解の代表的な理論である森田信義の「評価読み」理論を取り上げ、「評価読み」理論の中心概念である「評価」の内実を分析した。その結果、「評価読み」理論においては、相互的なコミュニケーションにおいて必要不可欠である「解釈」が十分に位置づけられていないことが明らかになった。そこで、批判的読解をよりコミュニケーション的なものとするために、「評価読み」理論に「解釈」概念を導入することによって、理論の再構成を図った。 - 「コミュニケーション的行為の理論」を援用した評論教材の研究―「水の東西」を例に
2012年12月21日, 篠崎 祐介, 広島大学大学院教育学研究科紀要. 第一部, 学習開発関連領域, 広島大学大学院教育学研究科, 61, 研究論文(大学,研究機関紀要), 10.15027/33966, 1346-5546, 高等学校における代表的な評論文教材である「水の東西」(山崎正和)の分析を具体的な事例として、高等学校国語科の評論文教材の読解指導の在り方を検討した。その結果、社会形成力と言語能力の育成につながる授業を構築するためには、評論文教材の読解の目標を筆者と分かり合うことと設定することが重要であることが示唆された。特に、筆者の論証の非明示的な内容を補うとともに、筆者の価値観の妥当性を検討することによって、筆者の価値観を受容するだけではなく、新たな価値を共同的に創出する可能性が生まれることが示唆された。 - 社会形成の向上のための教材の開発に向けて―評論「未来世代への責任」を対象にして
2012年10月01日, 篠崎 祐介, 国語教育思想研究, 国語教育思想研究会, 5, 研究論文(大学,研究機関紀要), 社会形成の能力向上のための教材開発として、「コミュニケーション的行為の理論」を援用し、高等学校国語科の教材「未来世代への責任」(岩井克人)を分析した。その結果、この教材では、コミュニケーション的行為論における重要概念である「討議」の過程が記述されていることが明らかになった。また、その「討議」の過程を理解することが読解能力の向上に資することが示唆された。この結果を踏まえて、教師用指導書の課題を指摘し、実践方法の提言を行った。 - 〈コミュニケーション的行為論〉による評論文教材へのアプローチ―「この村が日本で一番」(内山節)の考察
2012年03月21日, 篠崎 祐介, 教育学研究紀要(CD-ROM版), 中国四国教育学会, 57, 57(1), 研究論文(学術雑誌), 0287-1114, 高等学校の評論文教材である「この村が日本で一番」(内山節)を用いて、どのような学習目標・内容・方法が設定されうるかを、ハーバーマスのコミュニケーション的行為の理論を援用して検討した。その結果、学習内容として次のことを設定しうることを示した。すなわち、(1)結論は何かを探ること、(2)主張を保証する理由は何かを検討すること、(3)筆者の主張に異を唱え、根拠づけのなされていない前提を疑うことの三点である。 - 説明文産出におけるメタ認知的知識の構造
2011年03月31日, 山田恭子
近藤綾
畠岡優
篠崎祐介
中條和光, 広島大学心理学研究, 10, 研究論文(学術雑誌), 大学生を対象に、説明文産出過程で用いるメタ認知的知識の構造を調べ、方略リストを作成した(予備調査)。そして、説明文産出の直後にどの方略を用いるかを評定させた結果、「表記・表現の容易性」「流れやまとまりに対する配慮」「読み手の興味・関心への配慮」に加え、「具体性」「説明すべきものの先行提示」が新たに見いだされた(調査1)。また、調査1で方略使用の程度の異なる参加者が書いた説明文を、他の参加者に評価させた結果、方略使用と評価との間に対応が見られ、方略リストの妥当性が示唆された(調査2)。
講演・口頭発表等
- 高等学校国語科における古典文学教育の新たな視点(1):国際バカロレア教育DP日本語Aの方略を用いた比較分析
2024年10月27日, 第147回全国大学国語教育学会越谷大会, 口頭発表(一般) - 国語科教育と「アクティブ・ラーニング」
2024年06月27日, 東京学芸大学国語国文学会令和6年度大会 - Similarity feature map for searching Japanese language teaching materials using natural language processing
2022年09月30日, 22th Chitose International Forum on Science and Technology (CIF22) - 国語教育における三角ロジックの用いられ方の問題点
2024年01月06日, 国語科学習デザイン学会第7回研究大会 - AHPを活用した読解教材の選択過程の検討
2023年12月09日, JSET研究会2023-4 - 高校国語科教科書にみる「論理」のあらわれ方―学習指導要領の改訂を受けて
2023年11月04日, 第145回 全国大学国語教育学会 信州大会 - 国語科読解指導における複数教材選択システムの基礎モデルの検討
2023年09月24日, 令和5年度第67回日本読書学会大会 - 国語科で育成すべき読解力を考える
2023年07月01日, 東京学芸大学国語教育学会 2023年度 第2回例会 - 国語科読解指導において複数教材を選択するモデルの生成と評価手法
2022年10月08日, JSET研究会2022-3, 口頭発表(一般) - 小学校における「深く読む」ことについての紙とデジタルによる比較調査―特に質的な部分に注目して
2022年05月28日, 第142回全国大学国語教育学会 東京大会 - “私たち”は学習者のどのような読みを論理的だとみなすのか―国語科論理教育研究者のセルフスタディ
2022年05月28日, 第142回全国大学国語教育学会 東京大会 - SOM を用いた国語教材探索のための類似度特徴マップ
2021年09月15日, 第37回 ファジィシステムシンポジウム, 口頭発表(一般) - 若手教員による故事成語を教材とした対話型授業の分析
2021年05月29日, 第140回全国大学国語教育学会 - 国語科の論理的思考力育成における主張の把握の位置づけの検討
2019年10月26日, 第137回全国大学国語教育学会, 口頭発表(一般) - 説明的文章読解指導における複数教材の観点
2019年07月28日, 第63回日本読書学会大会, 口頭発表(一般) - 説明的文章の協同的読解に関する実践的研究
2018年10月27日, 第135回全国大学国語教育学会, 口頭発表(一般), 教師が発する問いに着目し,説明的文章読解を学習内容とする『学び合い』授業における教師の役割を検討した。『学び合い』に関する先行研究との比較の結果,説明的文章の読解を学習内容とする『学び合い』授業に特徴的な教師の役割は見いだせなかった。一方,教師の「課題」に関する問いを分析することで,授業の展開や発話の対象の違いに応じ,問いの種類を使い分けていることが明らかになった。 - 書写における主体的・対話的な学びに関する研究-小学校低学年の文字の「整い」に着目して
2017年11月04日, 第133回 全国大学国語教育学会, 口頭発表(一般), 本研究は、低学年児童に書字の基礎である「整い」の観点を意識化させる指導として、協同学習の効果を事例的に検討するものである。協同学習による指導を行っているクラスと一斉指導を行っているクラスとを比較した結果、協同学習における相互評価は一斉指導と同程度の学習促進効果があることが明らかになった。また、相互評価場面における児童の会話を分析した結果、児童が互いの主体性を発揮する中で、自身の書字に対しての意識化が図られることが示唆された。 - 小中高の論理教育カリキュラム策定のための基礎研究(1)―理論的枠組みの構築
2017年05月27日, 第132回全国大学国語教育学会, 口頭発表(一般), 予備調査から、読解行為における「読者」「筆者」「文章」「世界」の認識の形成は学年ごとに発達するものではないこと、また、これらの認識以外の認識と複雑に連関しあっていることが示唆された。そこで、それらの認識に加え「言語」や「感情」等の認識が有機的に関連してネットワーク化される等の仮説を新たに設定し、仮説の検証方法を検討した。 - 小中高の論理教育カリキュラム策定のための基礎的研究(2)―実態調査
2017年05月27日, 第132回全国大学国語教育学会, 口頭発表(一般), 小学6年生432人、中学2年生556人、高校2年生375人を対象に、「広島平和記念資料館」を本文にした調査問題に回答させた。その記述を分析した結果、1)筆者の世界認識はどの学年もあまり形成されていない、2)読者・世界を具体化・抽象化することがどの学年も苦手とする、3)情報の取り出し・解釈は学年ごとに伸びるが、評価はどの学年も苦手のまま伸びない等が明らかになった。 - 子どもの生活実態と生育環境づくり―熊谷市におけるまちづくりの課題を中心に
2016年11月13日, 立正大学社会福祉学会第18回大会, 口頭発表(一般) - 熊谷小学校1・2年生を対象とした生活実態調査―2006年と2016年の比較
2016年11月13日, 立正大学社会福祉学会第18回大会, 口頭発表(一般) - 教科教育と福祉の接点(シンポジウム『求められる保育・教育の内容と方法―教育と福祉の関連のあり方―』)
2016年10月26日, 立正大学社会福祉研究所第3回文化サロン, 口頭発表(一般) - 説明的文章教材の配列方法の検討―計量的な分析手法を用いて
2016年10月15日, 第131回全国大学国語教育学会, 口頭発表(一般) - 説明文読者の論理・認識の様相―小中高学習者への調査から
2016年05月29日, 第130回全国大学国語教育学会 - 主体的・協働的な学びを軸とする授業の在り方
2015年10月17日, 平成27年度熊谷キャンパス後期公開講座 立正大学 法学部・社会福祉学部・地球環境科学部 - グループインタビューによる高等学校教員の意識調査―評論文読解指導の意義と課題をテーマとして
2014年11月09日, 第127回全国大学国語教育学会 - 評論文とは何か―小中高の連接に向けて
2014年05月18日, 第126回全国大学国語教育学会 - 説明的文章指導の方法論についての考察―“社会形成”と“『学び合い』”をキーワードにして
2013年10月26日, 第125回全国大学国語教育学会 - 森田信義の読みの理論における論理概念の変容
2013年05月18日, 第124回全国大学国語教育学会 - 現在は「ポストモダン」か?
2012年10月27日, 第123回全国大学国語教育学会 - 評論教材「未来世代への責任」の考察―コミュニケーション的行為の理論を援用して
2012年05月26日, 第122回全国大学国語教育学会 - 〈コミュニケーション的行為論〉による評論文教材の考察―「水の東西」(山崎正和)を対象に
2011年10月30日, 第121回全国大学国語教育学会