塚崎 舞 (ツカザキ マイ)

総合教育科学系 生活科学講座 生活科学分野講師

研究者情報  (担当授業科目については、ページ一番下の「授業ガイド(シラバス検索)」をご利用ください。)

その他の所属

  • 東京学芸大学, 総合教育科学系 生活科学講座 生活科学分野, 講師

経歴

  • 実践女子大学
    2019年04月 - 2023年03月, 生活科学部 生活環境学科, 助教
  • 東京学芸大学
    2023年04月 - 現在, 総合教育科学系 生活科学講座 生活科学分野, 講師

学歴

  • 北海道教育大学
    2012年03月, 教育学部, 教員養成課程, 卒業
  • 北海道教育大学
    2014年03月, 大学院教育学研究科, 教科教育専攻(家政), 修士, 修了
  • 文化学園大学
    2023年03月, 生活環境学研究科, 被服環境学専攻, 博士後期, 修了

学位

  • 教育学学士
  • 教育学修士
  • 被服環境学 博士

所属学協会

  • 日本家庭科教育学会
    2021年11月
  • 公益社団法人 日本油化学会
    2020年05月 - 現在
  • 公益社団法人 日本分析化学会
    2020年01月 - 現在
  • 一般社団法人 繊維学会
    2019年04月 - 現在
  • 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
    2019年04月 - 現在
  • 一般社団法人 日本家政学会
    2017年07月 - 現在

免許・資格

  • 中学校教諭専修免許状 家庭
    2014年03月15日
  • 中学校教諭専修免許状 理科
    2014年03月15日
  • 高等学校教諭専修免許状 家庭
    2014年03月15日
  • 高等学校教諭専修免許状 理科
    2014年03月15日

研究分野

  • (人文・社会) 家政学、生活科学
    洗浄 染色 衣生活 被服 環境科学

研究キーワード

  • 汚れ
  • 環境科学
  • 土顔料
  • タンパク質
  • 染色
  • 洗浄
  • 被服整理学
  • 生活科学

研究テーマ

  • 家庭科教育における裁縫用具の内容と児童生徒の実態に関する調査・研究
    2024年09月01日
  • 天然染料を用いたマイクロ波による抽出・染色方法に関する研究
    2023年04月01日
  • BCA法を利用した布上タンパク質汚れの定量法の開発に関する研究
    2019年04月01日

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 独立行政法人日本学術振興会
    科学研究費助成事業, 新たな洗浄試験評価法としての布上タンパク質直接定量法実用化に向けた検討, 若手研究, 2024年04月01日 - 2027年03月31日, 競争的資金, 2020年度若手研究において、申請者は、モデル汚れを用い、布に付着したタンパク質を高い感度で簡便に直接定量でき、高い汎用性のある『BC A法を利用した布上タンパク質の直接定量法』を開発した。本定量法の実際的、研究的な実用性を向上させるため、実際の皮脂汚れに含まれる複合成分を用いた検討、ならびに洗浄研究で適用する上で考えられる影響要因の検討、タンパク質人工汚染布およびカラースケールを用いた定量評価の簡易化を検討を行う。
  • 日本学術振興会
    科学研究費助成事業, 奈良・平安時代の衣服の染色方法の再現と定量化―色彩と染色堅牢度測定からー, 基盤研究(C), 2021年04月 - 2024年03月, 奈良・平安時代における宮中を中心とする衣服の色彩は、源氏物語を始めとする文学作品に反映されていると共に、「延喜式」を基に、単一植物染料による染め、二種の植物染料を用いる交染、単一の媒染剤を用いる単媒染、二種の媒染剤を染色の前後に用いる重ね媒染などで、それらの色彩が生み出された。しかし衣服の色相(色味の違い)の多くは、色の名称などで想像する事のみが根拠であった。特に交染の場合には可能性のある色相から推定されたものが提示され、確認する方法がなかった。このような源氏物語等に記された衣服の色の展開は色彩美学や色彩心理学の対象となってきたが、議論に確実な根拠を与える科学的な測色はなされていない。特に交染や重ね媒染の場合には科学的な測定に基づく研究はほとんど行われていない。 本研究は、天然染料の単染、交染、染料の濃度変化、重ね媒染や光源の変化による反射光の波長分布を同定し、染色方法の定量化とそれらによる染色物の色彩の特徴を定量的に解析した基礎の上に、奈良・平安時代の天然染料による染色物の色彩と染色堅牢度の再現を目的とする。 2021年度は色材として茜と紫根などを用い、明礬、酢酸アルミニウム、酢酸カルシウム、塩化鉄、硫酸バナジルなどの5種の媒染剤を用いて、3種の媒染方法で絹布、羊毛布、綿布などを染色し、k/s値、L*a*b*値などを用いて染色布の濃度や色彩を評価した。また実用上の観点から染色堅ろう度も測定し、評価した。 茜染色布は明礬媒染による先媒染法が最も濃色に染まり、重ね媒染法がそれに続いた。洗濯堅ろう度は明礬を使ったすべての媒染方法で5級と優れていることを示した。耐光堅ろう度は明礬を使った先媒染と重ね媒染法による染色布は4級と優れていた。紫根染色布は明礬と酢酸アルミニウム媒染による先媒染と重ね媒染布が最も濃色に染まり、洗濯堅ろう度、耐光堅ろう度ともに良好であった。
  • 日本学術振興会
    科学研究費助成事業, 繊維基質上のタンパク質直接定量法における汎用条件の検討, 若手研究, 2020年04月 - 2023年03月, 競争的資金, 本研究は、繊維基質上に付着したタンパク質を、抽出処理を必要とせず、実験者による測定値のバラつきを抑える簡便な処理で、直接定量する方法を検討している。アルカリ環境下でビシンコニン酸および銅イオンを用いた呈色還元反応であるBCA法を利用し、タンパク質量に応じた呈色(赤紫色)を反射率測定により評価する。本研究の発展は、簡便で安全、正確なタンパク質定量法の開発と、皮脂汚れを評価する新たな指標とした洗浄・衛生分野の研究発展に貢献し得るものである。2021年度はより洗濯環境を意識した実用的な側面を検討するため、タンパク質の種類による反応性への影響、およびタンパク質と界面活性剤、酵素、脂肪酸の共存状態での定量性への影響を調べた。 タンパク質モデルとして従来用いてきたアルブミンに対し、カゼイン、ゼラチン、ケラチンの反応性を調べたところ、カゼインとケラチンは、アルブミンと同様の定量性を示し、ゼラチンは他タンパク質と比較し、定量濃度と反射率の低下の関係性がやや緩やかであることが明らかとなった。これは、本研究で利用するBCA法と全く同じ特徴を示し、布帛上でBCA法が成立していることを示すと考えられる。さらに、水不溶性のタンパク質であるケラチンは、溶液系のBCA法では定量が困難であるが、本研究においては他の水溶性タンパク質と同様、簡便な測定が可能であることが明らかとなった。 また、界面活性剤、酵素との共存条件では、実用的な観点から洗濯洗剤成分が洗濯物に残留することを想定した濃度を設定し、アルブミンと共存させて反射率を測定したところ、洗剤成分のすすぎ残留程度の濃度であれば、本定量法に影響はないと判断することができ、実際の洗濯物への応用が期待される結果となった。脂肪酸について、分子中に二重結合をもつオレイン酸がタンパク質と同様に発色することが判明し、引き続き検討を進めていく。
  • 日本学術振興会
    科学研究費助成事業, 食品廃棄物色素の抽出と染色への応用ー消臭性測定と染色堅ろう度の検討ー, 基盤研究(C), 2017年04月 - 2020年03月, 大量に排出される食品廃棄物を有効利用するために、合成染料に比べて環境負荷の小さい食品廃棄物中の色素を抽出して、濃色で堅ろう、かつ、色染以外の機能を発現する染色布の染色方法を検討した。 色素の抽出方法としては、抽出溶媒、温度、時間および色材と溶媒との割合を検討した。染色方法としては染め重ね法、重ね媒染法に濃色染めの期待が見いだされた。また、アンモニア消臭能は染色布によって大きく異なることが明らかになった。

書籍等出版物

  • 初等家庭科教育法 : 気づく・考える・実践する力を育む授業づくり
    2023年04月28日, 第9章前半, 萌文書林, 9784893474001

論文

  • 小・中・高等学校の家庭科教科書に記載された二次元コード教材の現状と課題
    2025年03月13日, 渡瀬典子,星野亜由美,塚崎舞,萬羽郁子,藤田智子,倉持清美, 共著, 東京学芸大学紀要 総合教育科学系, 東京学芸大学教育実践研究推進本部, 76, 研究論文(大学,研究機関紀要), https://doi.org/10.50889/0002000899, 18804306
  • 無色タンパク質汚れの可視化と定量を目的とした布上BCA法のタンパク質種による反応性の検討
    2025年06月01日, 単著, 東京学芸大学論叢, 東京学芸大学, 4, 研究論文(大学,研究機関紀要)
  • Effects of surfactants and enzymes on the direct determination of protein on fabric using the BCA reaction
    2023年06月, 塚崎舞
    森田みゆき
    米山雄二, 共著, Tenside Surfactants Detergents, 60, 4, 研究論文(学術雑誌), 10.1515/tsd-2023-2507
  • 布上でのタンパク質直接定量に及ぼす布帛種の影響
    2022年06月, 塚崎舞
    森田みゆき
    米山雄二, 共著, 材料技術, 40, 3, 研究論文(学術雑誌)
  • 透明シート被覆による布帛上タンパク質直接定量法の高感度化
    2022年04月, 塚崎舞
    森田みゆき
    米山雄二, 共著, 日本家政学会誌, 一般社団法人日本家政学会, 73, 4, 研究論文(学術雑誌), 10.11428/jhej.73.199, 繊維基質に付着したタンパク質を直接定量する方法を,BCA 反応を利用して検討した.試験布に布湿潤水,タンパク質溶液,BCA 溶液を添加し,その試験布をシートで挟み,空気との接触を避けた.所定時間後,試験片の表面反射率をシートの上から測定し,BCA 反応による紫色の着色度合いを把握した.2.5 cm×2.5 cm 綿布片上での BCA 反応は,25℃,水 8.0 µL/cm2,タンパク質溶液 4.8 µL/cm2,C 液 16 µL/cm2 の条件下で十分に反応することがわかった.さらに,タンパク質濃度 0.96~14 µg/cm2 の範囲と表面反射率から得られた K/S 値の検量線は,相関係数 R2=0.9974であり,良好な直線性を示した.従来法と異なり,検量線の傾きが大きいため感度の良い定量が可能となった.
  • ビシンコニン酸の還元反応による布帛上のたんぱく質汚れの直接定量
    2020年07月, 谷道子
    雨宮敏子
    塚崎舞
    松田美帆
    森田みゆき, 共著, 日本家政学会誌, 71, 7, 研究論文(学術雑誌), 10.11428/jhej.71.464, 一般に繊維製品に付着したタンパク質などの無職の汚れ成分を定量するには、専門的で高価な機器や熟練した技術、長い分析時間を要する。本研究では、溶液系で使用されるビシンコニン酸法に着目し、布上のタンパク質汚れの直接定量について検討することを目的とした。呈色反応後の布の表面反射率を測定することにより、直接評価した。その結果、モデルタンパク質汚れとして使用したアルブミンの濃度と表面反射率との間に良好な直線関係が得られた。さらに、脂肪酸や、通常の洗浄条件内での残留界面活性剤の共存による呈色反応への影響は認められなかった。従来法と比較して、本法は通常の実験室条件下で実行でき、精度、簡便さ、経済性において優位であることが明らかとなった。
  • 環境配慮型染色のための土顔料の組成分析
    2014年02月, 塚崎舞
    小松恵美子
    森田みゆき
    岡村聡, 共著, 北海道教育大学紀要(自然科学編), 北海道教育大学, 64, 2, 研究論文(大学,研究機関紀要), 10.32150/00006211, 1344-2570, 土顔料を用いた環境配慮型の染色方法を検討するため、フランス製のオークル土顔料57種の組成分析を行い、その安全性を検討した。基準としてJIS「クレヨンおよびパス」に準拠して有害元素を決定し、各顔料の分析結果と照合したところ、特に青緑系の鮮やかな色彩を持つ45種から、アンチモン、ヒ素、カドミウム等の有害元素が確認された。これらの有害元素を含まない11種の土顔料を分類すると、主な組成は酸化鉄、酸化マグネシウムおよびケイ素、酸化カルシウムの3タイプであることがわかった。
  • 新規洗浄剤に関わる中学校家庭科教科書の課題
    2014年02月, 森田みゆき
    増渕哲子
    駒津順子
    亀原めぐみ
    小松恵美子
    塚崎舞, 共著, 北海道教育大学紀要(教育科学編), 北海道教育大学, 64, 2, 研究論文(大学,研究機関紀要), 10.32150/00006196, 1344-2554, 小・中・高等学校の家庭科、被服領域で扱われる「洗濯」について、近年主流となっている「濃縮洗剤」に焦点を当て従来の教科書を分析、今後の教科書教材の課題を検討した。その結果、従来教材で取り扱ってきた洗剤と、濃縮洗剤は液性やすすぎ回数が異なり、使用方法や特性を改訂する必要性を見出すとともに、汚れではなく「着た」ことで洗濯をするという現代の洗浄概念の変化を含め新たな教材を検討することを明らかにした。
  • 環境負荷低減を目的とした綿布への土顔料染色
    2013年10月, 塚崎舞
    小松恵美子
    森田みゆき
    岡村聡
    森田くらら
    伊村芳郎
    河合武司, 共著, 繊維学会誌, The Society of Fiber Science and Technology, Japan, 69, 10, 研究論文(学術雑誌), 10.2115/fiber.69.198, 0037-9875, 環境負荷の低減が期待される染色材料として土顔料で綿布染色を行い、その最適化を検討した。土顔料として建材用オークルを用い、組成分析により安全性が確認され、かつ粒径、粒度分布が綿布染色に適していると判断した「インディアンイエロー」を染色材料とした。温度50℃、60分間、顔料濃度0.5g/50ml、染色回数2回の条件で、エイジングおよびソーピング行うことで、良好な色彩が得られた。さらに土顔料染色布の洗濯堅牢の良好性を明らかになった。

講演・口頭発表等

  • BCA 法を利用した布上タンパク質直接定量法への保湿剤複合汚れによる影響
    2024年10月07日, 第56回洗浄に関するシンポジウム, ポスター発表
  • BCA法を利用した布上タンパク質の直接定量に関する研究
    2024年08月27日, 2024 年度 日本家政学会中部支部 被服材料・整理学部会 夏季セミナー − 未来へつなぐ匠の技 −, 口頭発表(招待・特別), BCA法を利用した布上タンパク質を定量する方法について、基本的実験方法、タンパク質の種類、布の種類を検討し、洗浄試験時に想定される界面活性剤および皮脂汚れとして共存が想定される脂肪酸による定量法への影響を検討した結果について概要を発表した。
  • アミノ基導入ポリエステル布帛の物性評価
    2024年06月22日, 一社)日本繊維製品消費科学会2024年年次大会, ポスター発表
  • マイクロ波を照射した布帛の物性における繊維種の影響
    2024年06月22日, 一社)日本繊維製品消費科学会2024年年次大会, ポスター発表
  • マイクロ波を用いた天然染料の抽出と絹布染色
    2024年06月22日, 一社)日本繊維製品消費科学会2024年年次大会
  • 機能化を目的としたエチレンジアミン処理したポリエステル布帛の消費科 学的物性評価
    2024年05月24日, 一般社団法人日本家政学会第76回大会, ポスター発表
  • マイクロ波照射によるポリエステル布の物理特性への影響
    2024年05月24日, 一般社団法人日本家政学会第76回
  • 日本茜染色における濃色で堅ろうな染色方法の検討-染色温度と後媒染時のpHと後媒染剤の影響
    2024年05月25日, 一般社団法人日本家政学会第76回大会, 口頭発表(一般)
  • 媒染剤を用いたシコン染色におけるpH の影響
    2023年11月, 2023年度繊維学会秋季研究発表会
  • 茜染色における染色絹布の濃色化・色相・堅ろう度に及ぼす重ね媒染時の pHの影響
    2023年05月28日, 一般社団法人日本家政学会第75回大会, 口頭発表(一般)
  • 布上でのタンパク質直接定量に及ぼす布帛種の影響
    2023年05月, 2023年材料技術研究協会討論会, 口頭発表(招待・特別)
  • 布上でのBCA 呈色反応に及ぼす脂肪酸汚れの影響
    2022年10月14日, 第54回洗浄に関するシンポジウム, ポスター発表, 本報告は皮脂汚れを想定し,脂肪酸汚れが及ぼすBCA法の反応試薬C液への影響を検討した。脂肪酸汚れにオレイン酸とパルミチン酸を用い,皮脂汚れには湿式人工汚染布で用いられる皮脂成分の混合物(セバム油)を用いた。オレイン酸とセバム汚れはヘキサンを,パルミチン酸はベンゼンを用いて1~0.01%(w/v)の汚染液とした。試験布には綿,ポリエステル,T/C布を用い,2.5cm×2.5cmの試験片に汚染液を200µL滴下し,乾燥して試験布とした。パルミチン酸の場合は反射率の変化が見られなかった一方,オレイン酸とセバム汚れでは反射率が低下することが確認された。そこで,試験布の基質をポリエステルとT/C白布に変えて同様の実験を行い,繊維による作用を検討したところほとんど影響は見られなかった。脂肪酸汚れが存在することによって呈色する原因は,オレイン酸の化学構造における二重結合が関与していると考えられた。タンパク質であるアルブミンのみの呈色と比較して、オレイン酸の付着量に対する呈色の反射率は高いため、タンパク質と共存する場合でも定量性へは影響がないと考えられ、今後さらなる検討を行う。
  • 食品廃棄部分のアボガド果皮による染色
    2022年06月26日, 一般社団法人繊維製品消費科学会2022年年次大会, 口頭発表(一般), 廃棄部分が約20%を占めるアボカド果皮を利用し、助剤や温度などの条件を変え染色した布の染色方法と染着性について検討した。染色布を目視とカラースキャナーで測定した結果、濃染剤を使用しアルカリ抽出液で染めた綿の場合、L*値、a*値が大きく赤みの強い赤褐色に染まった。クエン酸の酸性液で染めた綿は、b*値が大きくa*値が小さく、酸性とアルカリ性では異なる色相の染色布が得られた。豆乳を濃染剤として使用した綿の場合、a*値がやや大きい赤みのあるピンク色に染まり、どちらも使用しなかった綿はペールオレンジに染まりL*値、a*値、b*値とも小さい値であった。綿では濃染剤を使用し80℃で染色したものがK/S値が高く、赤みのある染色布となった。豆乳を使用した染色布のK/S値は25℃で高く低温程よく染まった。堅ろう度試験の結果、汗、洗濯、摩擦とも添付白布に対する堅ろう度は高く、摩擦試験(湿潤)を除き4~5級と実用に耐えられるものであった。染色布の変退色は洗濯と汗では3~4級であった。
  • 布帛上タンパク質直接定量における試料布の織り・繊維種の影響
    2022年06月25日, 一般社団法人繊維製品消費科学会2022年年次大会, 口頭発表(一般), ビシンコニン酸(BCA)法を用いた本定量法に及ぼす繊維製品に使用される布帛の織り,繊維種の影響を検討した.綿繊維の試料布として,金巾(JIS 染色堅牢度試験用添付白布),平織(洗濯科学協会試験布,swissatest No.210,211),サテン(色染社),ツイル(swissatest No.214)の6種を用いた.綿以外の繊維種として,キュプラ,ポリエステル(JIS 染色堅牢度試験用添付白布),麻,ジアセテート,ナイロン,T/C,ウール,絹(色染社)の8種類を選定した.結果より,綿繊維では本定量法における織りの影響は小さかった.キュプラは,繊維中に BCA 反応へ影響を与える銅イオンの残留が推測された.タンパク質繊維は繊維分子と反応することが確認された.一方で,ポリエステル,綿ポリエステル混紡,ナイロン等でも高い定量性が確認でき、本定量法は汎用性が高いことが明らかとなった.
  • シコン染色における媒染剤と媒染方法の影響
    2022年05月29日, 一般社団法人日本家政学会第74回大会, 口頭発表(一般), 天然の植物染料であるシコンを用いて、絹白布の濃色で堅ろうな染色を試みた。媒染剤や媒染方法が染色布の色の濃さや色相や染色堅ろう度に及ぼす影響を、k/s値、L*a*b*値、等級により評価した。 メタノールで抽出したシコン色素液に同量のイオン交換水を加え染色液とした。染色布として精錬した絹白布(14目付)を使用した。媒染剤は無水硫酸カリウムアルミニウム(ミョウバン)など6種類の金属塩を用いた。媒染方法は先媒染、重ね媒染、後媒染法で行った。染色布の反射率からk/s値を計算した。L*a*b*値も測定した。染色堅ろう度はJISに準拠して測定した。媒染剤としては、カルシウム(Ca)や鉄(Fe)やバナジウム(V)を含む塩よりアルミニウム(Al)を含む塩が最もk/s値が大きく濃色に染まった。媒染方法としては、総じて先媒染法が最もk/s値が大きく濃色に染まり、重ね媒染法、後媒染法と続いた。絹染色布のL*a*b*値から、媒染剤によって色相が大きく変化した。洗濯堅ろう度は酢酸アルミニウムとミョウバンを使った先媒染法と重ね媒染法では4~5級と良好であった。
  • 茜染色における濃色で堅ろうな染色方法の検討-染色温度と媒染時の pHと浸漬時間を中心に-
    2022年05月29日, 一般社団法人日本家政学会第74回大会, 口頭発表(一般), 茜染色における染色温度,重ね媒染時の㏗・時間の効果を検討し,染色布の色の濃さや色相や堅ろう度に及ぼす影響をk/s値,L*a*b*値,等級により評価した. 絹14匁羽二重は0.1%モル濃度のミョウバン液で24時間先媒染した. 各茜の粗粉水抽出液で,染色 温度を25℃から80℃で60分染色した. 重ね媒染時の㏗を7.38 ~12に調整し,浸漬時間も0.5~72hと変化させ,0.1%モル濃度の酢酸カルシウム水溶液で後媒染し,ミョウバン/酢酸カルシウム重ね媒染を行った. 上記条件で重ね媒染した染色布は,k/s曲線は双方とも510nmに極大値をもつ赤色に染まった. 染色温度が高くなるほどk/s値は大きくなり,インド茜染色布の方がk/s値は大きかった. また350nm~450nmにかけての曲線の勾配が双方で特異的な違いがみられた。L*値はインド茜で低く,西洋茜では大きい結果となった. a*値ではインド茜は大きく赤みのある茜色を示した. これらの色相の違いは植物の色素分子の違いの影響と考察される. 耐光堅ろう度は4級から3級で、重ね媒染時の㏗・時間の影響が染色布のk/s値や染色堅ろう度に顕著にあらわれた。
  • スキャナーを用いたビシンコニン酸呈色反応による布帛上タンパク 質の簡易定量
    2022年05月29日, 一般社団法人日本家政学会第74回大会, ポスター発表, ビシンコニン酸(BCA)法を利用した布帛上のタンパク質定量の広範囲利用に向けて,家庭用スキャナーを用い,キットの BCA法で呈色した布帛のスキャン画像を簡易な方法で数値化した.その呈色反応条件,及び,表面反射率(560nm)の数値とスキャン画像の解析数値の相関を検討した.シャーレ内に 綿白布を置き,所定濃度のアルブミンを30 µL,BCA液を0.15 mL滴下し反応させた.解像度300 dpi,色補正なしの条件でスキャンした画像から sRGB値を抽出し,その sRGB値から L*a*b*値を算出した.560 nmの表面反射率は NF-333(日本電色製)を用いて測定した.布帛上での BCA法による呈色反応において,シャーレ内で放置した場合,反応時間及びアルブミン濃度による相関が認められなかった.そこで,ポリプロピレン製フィルムに挟み反応させた結果,呈色反応時間を30分とした.また,色彩色差計で測定した表面反射率とスキャナー画像から解析した表色値( sRGB値, L*a*b*値)は,同様の挙動を示した.さらにスキャナー画像からの取り込み数値はタンパク質濃度に対しても高い相関があるため,この呈色方法の評価法としてスキャナー画像を用いることが可能であることが明らかとなった.
  • 茜染⾊における媒染剤と媒染⽅法の影響
    2021年11月19日, 2021年度繊維学会秋季研究発表会, 口頭発表(一般), 天然の植物染料であるインド茜、西洋茜を用いて、絹、綿、羊毛白布の濃色で堅ろうな染色を試みた。 媒染剤や染色方法が染色布の色の濃さや色相や染色堅ろう度に及ぼす影響を、k/s 値、L*a*b*値、等級により評価した。インド茜染色布の場合、後媒染、重ね媒染、先媒染の順にk/s 値が大きくなり、染色布が濃くなっていくことが推測できる。先媒染法では k/s 値が 12 以上を示し、濃く染まっていることを示している。これらの染色布の洗濯堅ろう度は概ね 5 級と良好であったが、耐光堅ろう度は一部 4 級で大部分は 3級以下であった。
  • 布帛上タンパク質の直接定量における共存物質とタンパク質種の影響
    2021年10月15日, 第53回洗浄に関するシンポジウム, ポスター発表, BCA法を用いた布帛上のタンパク質定量に及ぼす、界面活性剤の共存影響およびタンパク質の種類の影響について検討した。アルブミン濃度12~50µg/30µLにおいて、LAS(3.3×10-3%)またはSDS(1.8×10-2%)を滴下した場合、界面活性剤が共存しない場合に比べて、アルブミン濃度30µg以下では2~5%の反射率が高くなった。LASよりもSDSを共存させた場合の方がやや反射率が高くなった。タンパク質種の違いにおいて、カゼインおよびゼラチンはアルブミンより高い値の反射率を示し、特にゼラチンは30µg /30µL以上の濃度範囲でアルブミンと10%以上の反射率差が見られた。しかしながら、各タンパク質における検量線は良好な直線性を示した。
  • 酸処理と機械的処理をした羊毛繊維によるアンモニアの消臭
    2020年11月07日, 2020年度繊維学会秋季研究発表会, 口頭発表(一般), タンパク質繊維の表面改質により繊維表面の官能基を増やし、悪臭物質の吸着性能を高める研究を進めてきた。羊毛に酸処理および機械的処理を行った場合、アンモニアに対して初期消臭速度、消臭容量ともに活性炭を超える消臭能が確認された。今回、同じく羊毛に酸処理、機械的処理を行い、より効率的に消臭能を高める条件を詳細に検討した。酸処理と粉砕処理を併せた条件では、1:100 の浴比では粉砕処理時間に関わらず消臭能の向上が確認された。加水分解の時間が 60 分である条件がもっとも消臭能が高く、活性炭のアンモニア残留率が 14%であるのに対し、加水分解 60 分・粉砕時間 30 分の試料では 12%の残留率を示し、活性炭よりも高い消臭能があることがわかった。
  • BCA 還元反応を利用したタンパク質の基質直接定量への布帛種による影響
    2020年11月07日, 2020年度繊維学会秋季研究発表会, 口頭発表(一般), 従来、本研究で基質として使用してきた、綿金巾3号における反応時間 30 分時点での反射率 40%を基準とし、同一濃度(30µg/30µL)のタンパク質溶液に対する各布帛における反射率の変動を調べた。EMPA211、214、の反射率、色相ともに基準とほぼ変化がなく、サテンについては反射率がやや高く、色相もやや薄い紫であることが確認された。一方、同じ綿繊維で基準よりやや厚みのある EMPA210 は5%近く基準より反射率が低下したため、布帛自体に何らかの添加物が残留している可能性が示唆された。キュプラ、ナイロン、ポリエステルの3種は基準より 10%以上反射率が高くなった。結果より、基質定量法の反応性は、一定量の反応液保持が可能かどうかという点が、因子の一つとして影響すると考えられた。
  • 人の印象に及ぼす柔軟仕上げ剤の香りの効果
    2020年06月20日, 一般社団法人日本繊維製品消費科学会2020年年次大会, ポスター発表, 本研究では、5種類の異なるフレグランスの特徴(フローラル系、フルーティ系、ウッディ系、アクア系、シトラス系)を持つ市販柔軟仕上げ剤を選択し、20代女性に対して官能評価を実施することで、柔軟仕上げ剤の香りが人の印象に与える効果を明らかにした。官能評価には、これらの原液とイオン交換水を1:1(v/v)となるように希釈して用いた。 フローラル系の香りを持つSの香りは、金髪で髭がある男性3の写真を見ながら嗅ぐと3.7点でやや「嫌い」に偏っているが、それ以外の人物の写真では1.4~2.0点で「好き」という印象を与えることがわかった。一方、シトラス系の香りであるHは、全ての人物の評価が1.8~2.2点となり、外見に関係なく好印象を与えている。また、女性1の写真を見ながら5種の柔軟仕上げ剤の香りを嗅いだ時の「活発な-おとなしい」項目の評価から、フローラル系の香りのSは他の柔軟仕上げ剤と比較しておとなしい印象を与える傾向にある一方、アクア系の香りのAは、活発な印象を与えるということが確認された。柔軟仕上げ剤の香りの種類によっては、外見によって異なる印象を与える場合、外見が異なる人物でも一様な印象を与える場合、同じ人物でも相手に与える印象が大きく変化する場合等があることが明らかになった。
  • 天然汚染布上タンパク質のビシンコニン酸による簡易定量
    2020年05月29日, 一般社団法人日本家政学会第72回大会, その他, これまで無色のタンパク質汚れを布帛上で直接定量する方法を検討してきた。本研究では、高感度なビシンコニン酸(BCA)法で広濃度領域分析ができるかを検討し、さらに襟垢汚染布中のタンパク質の定量を行った。天然襟垢汚染布については被験者の首後部で摩擦し汚染布(5cm×10cm)を調製し、半分(5cm×5cm)に裁断し試料として用いた。アルブミン量0.0~1.4μg/cm2では反応温度25℃、反応時間30分、3.8~24μg/cm2では5℃、30分、24~48μg/cm2では5℃、15分と、反応速度と反応時間をコントロールすることで広濃度領域のタンパク質量の分析が可能となった。天然襟垢汚染布のタンパク質量は4.8~48μg/cm2となり、本法の濃度範囲において天然タンパク質汚れの定量が可能であることが示唆された。
  • 市販部屋干し用洗濯洗剤の性能評価 菌のコロニー数に及ぼす乾燥時間と洗浄効率の影響
    2020年05月29日, 一般社団法人日本家政学会第72回大会, ポスター発表, 部屋干し用として市販されている洗濯洗剤および洗浄剤を用いて、湿式人工汚染布の洗浄試験を行った。2019年6月までに市販されている、部屋干し用洗濯洗剤および洗浄剤(粉末洗剤2種、粉末洗浄剤1種、液体超濃縮洗剤2種、ボール型洗剤1種を選定した。洗浄後の人工汚染布を寒天培地に押し付け、所定条件で菌を培養し、菌のコロニー数と培養時間や洗浄効率との関係について検討した。洗浄効率の結果では粉末洗剤が最も洗浄効率が高くなり、次いでジェルボール、液体洗剤となり、界面活性剤が含まれない粉末洗浄剤の洗浄効率が最も低くなった。全ての洗濯条件において、培養時間の増加に伴い菌のコロニー数の増加が確認できた一方で、洗濯後の乾燥時間の影響については、明確な関係は見られなかった。また、洗浄効率10~35%にかけて、洗浄効率が高いほど菌のコロニー数が大幅に減少し、洗浄効率とコロニー数の明確な相関が確認された。
  • 固相界面上のBCA還元反応による皮脂中タンパク質の広濃度領域直接定量
    2020年05月23日, 日本分析化学会第80回分析化学討論会, ポスター発表, 本法は、綿白布に1.2~48µg/cm²のアルブミン溶液を付着させ、25℃30分で反応後、表面反射率による定量を可能としている。しかし、アルブミンが高濃度の領域では還元反応が促進され、前述の反応条件では目視での定量が困難であった。 そこで、本研究ではより広いタンパク質濃度領域での目視における直接定量法を検討した。反応温度を5℃に低下させることで、反応速度が低下することが明確となった。異なるタンパク質濃度間で生じた反射率の差を利用して、これまでよりも測定可能なアルブミン濃度範囲を広げるため、反応時間のコントロールを検討した。これらをもとに、反射率による検量線、目視によるスケールの作成を行った結果、前報で不可能であった広濃度領域での目視定量が可能となった。
  • BCAを用いた酸化還元呈色反応による基質上のアルブミン直接定量
    2019年11月, 2019年度繊維学会秋季研究発表会第56回染色化学討論会, ポスター発表, これまでに,簡便なタンパク質分析法として洗浄研究や一般の学校教育の場での利用を目指し,濾紙や綿布を用いた基質上での直接的な分析(基質BCA法)について検討してきた。既報の内容を中心に報告する。 基質BCA法は,短時間で簡便かつ高精度にタンパク質の直接定量が可能であり,洗浄分野の研究や学校教育現場において有用な評価手法となることが期待できる.今後の課題として,抽出法による定量との精度の比較,他種タンパク質を用いた場合や共存汚染物質による影響,汚染後のエイジングの影響等についての検討が挙げられる.
  • 基質上でのアルブミンとビシンコニン酸ナトリウムの反応性
    2019年11月, 第51回洗浄に関するシンポジウム, 口頭発表(一般), 簡便で正確なタンパク質汚れの定量方法を開発するため、BCA法を利用した、基質上のタンパク質直接定量を検討している。 消費者が着脱した被服を、洗濯するまでに日を置く場合 が多いことを想定し、本法の実用化の観点から、タンパク質溶液滴下後に基質のエイジングを行った。タンパク質溶液濃度を、150μg/30μLとし、エイジング時間を約28~1日間として室温および冷蔵保存し、上記反応手順により反射率を測定することでエイジング条件による影響の評価を行った。その結果、冷蔵および室温の両条件においても反応性に影響は見られず保存安定性が確認された。 また、本来のBCA法はpH11.25条件下で厳密な温度コントロールが必要であるのに対し、pHコントロールによる室温(25℃)における反応速度への影響を検討した結果、基質上の定量においては厳密なpHコントロールを必要とせず、より簡便な定量が可能であることがわかった。
  • Determination of protein soil in air noncontact system
    2019年09月, 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会 創立60周年記念事業 快適性とスマートテキスタイル 国際シンポジウム, ポスター発表, 我々はこれまで、BCA法により基質上のタンパク質を直接決定する簡易タンパク質解析法を検討している。そして、タンパク質の量と表面反射率の間には良好な直線性があることを明らかにした。 本研究では、ろ紙と綿白布を反応の基質として用い、タンパク質で汚染した。BCA法は、カバーシートを用いて空気非接触系における呈色反応のために実行された。 実験の結果、以下の結論が得られた。 1.空気非接触系において、反応時間は温度によって制御が可能である。 2.反応した基質の表面反射率とアルブミン付着量(対数)は、約10〜100μgで良好な直線関係を示します。 3.平均的な室温である25℃では、30分間の反応後のサンプルの測定と 評価が可能である。 このように、我々の測定方法は、タンパク質の量を短時間で簡単かつ高精度に評価するのに有用である。そして、それは家庭用の洗濯と学校教育の分野の研究の発展に貢献することができるだろう。
  • 空気非接触系におけるタンパク質汚れの定量
    2019年06月, 繊維製品消費科学会2019年度年次大会, ポスター発表, 本研究では、基質として濾紙を用い、フイルムシートで密着した状態で、BCA法による基質表面でのたんぱく質の発色反応の反応特性を調べ、操作の簡便化を検討した。反応時間30分までは反応時間の増加に伴い表面反射率(562nm)は低下し30分でほぼ一定となった.これは、固体基質(濾紙)による空気接触系と同様の結果となった. 次に、4〜37℃の範囲で反応温度影響を検討したところ、シートを用いて空気と非接触の場合、反応温度が上昇するほど表面反射率は減少し.濃色となった. アルブミンの付着量と表面反射率の関係で、アルブミンの付着量を対数とした場合、10〜100μgの範囲で良好な直線関係となった. 分子量の異なるタンパク質を用いて、BCA法による発色反応への影響を検討した.モル濃度、または重量濃度を同一濃度に調製して検討した結果、いずれの場合にも、ペルオキシダーゼ、パパインの発色反応が進行しやすく、ついでアルブミン、リゾチームの順となった.
  • 環境負荷低減のための土顔料染色液からの色材回収
    2014年06月, 平成26年度繊維学会年次大会, ポスター発表, 色彩等の特徴が異なる4 種の土顔料を用いて、濾過による染色液からの土顔料回収を行った。土顔料の回収率、ろ液の着色度・ 含有金属イオン量から、土顔料染色の環境的特性を検討した。土顔料の回収にはメンブランフィルターを用いる方法が最も効果的であることがわかっ た。すなわち、土顔料染色は色材の回収が可能であり、ろ過後の排水中に金属イオンがほとんど含まれない ため、環境配慮型の染色方法であるとわかった。
  • 土顔料による異種繊維布の直接染色
    2013年09月, 平成25年度繊維学会秋季研究発表会, ポスター発表, 綿、ポリエステル、アクリル、ナイロンを用い,4種の土顔料で染色を行った。もっとも酸化鉄粒子の付着量が多いのは綿布であり、さらに燃焼性においてやや燃えにくくなった。また、特にアクリル布帛において、繊維形状はもとより,繊維の界面科学的な特性が影響することが示唆された。一方、フィラメント平織布では、天然繊維の綿との比較対象で用いたキュプラの染色特性が低かったことから、ゼータ電位が関係していることが示唆された。
  • 土顔料染色におけるゼータ電位と染色性
    2013年06月, 平成25年度繊維学会年次大会, 口頭発表(一般), 土顔料による染色性をより高めるためゼータ電位の側面からの検討を行った。染色性の相違は、綿布への電気的吸着性であるゼータ電位の影響が最も大きく、次いで組成、粒度分布や粒子形状による影響が大きいと考えられた。
  • 土顔料による布の染色挙動
    2013年06月, 平成25年度繊維学会年次大会, ポスター発表, 異なる4種の繊維のフィラメント糸平織布について、染色処理時間を変化させた試料を調製し、K/S値とXRF分析、土顔料粒子のゼータ電位測定結果から、染色挙動について考察した。布はいずれもフィラメント糸使いの平織であるため、染色性の違いは繊維の官能基の違いに由来し、ゼータ電位の差が大きく影響していると考えられた。
  • 大学構内における藍の栽培と生葉染め-あいの里と藍-
    2013年02月, 拓北・あいの里教育フォーラム, その他, あいの里の地名の由来になったと言われる藍を、大学構内の環境下で栽培、染色材料として使用できるかを検討した。収穫後は、綿と絹の生葉染めを行い、十分利用できることがわかった。
  • Analysis of clay pigments particles adhering to the fabrics
    2012年09月, World Congress on Oleo Science & 29th ISF Congress2012, ポスター発表, 洗浄機構の観点より、布に付着している土顔料粒子の特性を調べた。土顔料は異なる色彩の3種を使用し、染色布として綿、ナイロン、PETを選択した。XRFによる元素分析およびSEMによる付着状態の観察を行い、土顔料は綿布に最も多く、特に鉄を含む粒子が付着することがわかった。また、土顔料粒子のゼータ電位を測定し、各布帛の参照ゼータ電位を対比することで、布のゼータ電位がマイナスに増加すると、酸化鉄を含む顔料粒子の付着量が減少することが示唆された。
  • 建材用オークルを用いた綿布の土顔料染色の最適化
    2012年06月, 平成24年度繊維学会年次大会, ポスター発表, 土顔料染色綿布が耐光性に優れ、難燃性が向上することを踏まえ、染色廃液からのろ過、回収、再利用が可能な土顔料染色の、綿布における最適染色条件を、温度50℃、60分間、顔料濃度0.5g/50ml、染色回数2回の条件でエイジングおよびソーピング行う条件であると決定した。
  • 環境負荷低減のための顔料染色素材-建材用オークルのXRF分析-
    2011年09月, 2011年繊維学会秋季研究発表会, ポスター発表, 廃液処理の環境負荷低減の観点から、土顔料を用いた布帛染色を検討するため、XRFを用いて成分分析を行った。基準としてJIS「クレヨンおよびパス」に準拠して有害元素を決定し、各顔料の安全性を考慮し9種のオークルを選出した。その結果、黄、赤色系には酸化鉄の関与大きく、青、灰色系には酸化マグネシウムやケイ素が多く含まれることがわかった。さらに、刺激的な黄や赤の鮮やかな色をしたオークルにはアゾ染料で着色された可能性が示唆された。

受賞

  • 学生論文賞
    2023年05月